田子の浦港〜富士山スカイライン〜富士山新五合目〜富士川河口〜新富士駅
参考資料:なし
経路は往路が赤、復路が橙
数年前から、海抜0mから富士山スカイラインを経て
富士山新五合目(海抜2400m)まで登ろうと考えていたが、
なかなかタイミングが合わず、今回ようやく決行することになった。
しばらく峠越えをしていないので、(元々低い)心肺機能が対応できるかどうか心配だ。
また、数年前に富士吉田から五合目まで登った際に高山病気味になったので、それも心配だ。
逆に、
ダイエットで体重を落としたのと、最近筋トレで脚を強化しているのは好材料だ。
まず今回行く場所を下記の航空写真で見てみよう(上の地図参照)。
田子の浦港(海抜0m)を出発し、川を遡って富士宮(富士山の左側)まで行き、
そこから新五合目(海抜2400m)まで登る。
帰りはほぼ同じコースを逆に走り、富士川河口(海抜0m)まで下る。
以下は山頂付近を拡大した写真。矢印が新五合目だ。
右下は、県道180号線と県道152号線の合流地点。
以下はさらに拡大した写真。矢印の建物が新五合目のレストハウス。
私は登るのが極めて遅いので、
なるべく日の長い時期ということで7月に決行することにした。
富士山は天候が変りやすく、さらにこの時期は梅雨なので、
決行日の選択に注意する必要がある。
またできるだけ早朝に出発するため、
前日、田子の浦港近くのビジネスホテル(というより旅館)に泊まり、
炭水化物を多めに食べて早く就寝した。
当日、まだ暗い早朝4時20分頃出発。
果たして今日の結末はどうなるのだろうかと、一抹の不安を覚える。
まず田子の浦港を背景に自転車を撮影するが、
まだ日が出ておらず、港が真っ暗になってしまうので撮影に手間取る。
港の先で県道353号線に入る。
ところが東海道線を越える高架部分を、自転車は走行不可であることが分かり、
慌てて別のルートを探した。
このとき道に迷ってしまい、やや大回りして15分ほど時間をロスした。
途中のコンビニでオニギリ6個とペットボトルの水を6本購入して自転車に装着。
以後、こまめに水を補給する。
身延線の入山瀬駅付近から県道176号線に入る。
この辺りから徐々に上り坂になる。
6時25分に国道139号線と県道180号線の大宮交差点に到着。
ここからの県道180号線は、ずっと同程度の勾配で上り坂が続く。
途中で、道の右側に歩道がついているのに気付き、以後歩道を走る。
(帰りに確認したところ、歩道は大宮交差点からついていた)
以前紹介したが、私のBD-3は、峠越え対策のため、
純正のものよりギアが軽くなっている。
歯数
自転車 前 後
ペダル1回転で進む距離
私のBD-3 39t 28t 142cm
普通のマウンテンバイク 22t 32t 140cm
県道180号線の登りでは、一番軽い1速から4速までを使った。
大宮交差点と次の山宮交差点の間にコンビニが3軒か4軒あり、
山宮交差点の手前のデイリーヤマザキが最後のコンビニだった。
コンビニで、空のペットボトルを捨てて新たに補給し、再び6本とする。
さらに炭水化物を補給し、決死の覚悟?で出発。
7時40分に篠坂交差点に到着。ここには自販機がある。
以前富士山を一周したときも、この自販機で飲み物を購入した覚えがある。
ここから先、民家はほとんどなくなる。
しばらく進むと道路距離の起点を示す標識が現れた。
ここから、起点からの距離を示す標識が200mおきに立っている。
休日の朝なので交通量はさほど多くないが、
篠坂交差点を過ぎてから妙に(通常のツーリングバイクではなく)暴走バイクが多くなってきた。
時速130km位だろうか、カーブではオートレースのように車体を極端に傾けて曲がる。
曲がり損ねて転倒し、そのままこちらに突っ込んでくるのではないかという恐怖にかられる。
爆音が遠くから聞こえるだけでイライラする。
数分前に通過したのと同じ服装の暴走バイクが反対方向から来た。
どうも同じバイクがこの区間を何度も往復しているらしいことに気付いた。
9時に1合目(海抜1000m)の標識に到着。
1合目の標識から少し行った左側に空き地があり、
そこにバイクが15台ほどいた。
恐らくここと、下のどこかの地点間を高速で何度も往復しているのだろう。
たまたま今日だけなのか、以前行った風張峠のように常態化しているのかは不明だが。。。
この地点を過ぎると、後方から来る暴走バイクはほとんどいなくなった。
10時に西臼原駐車場(海抜1240m)に到着。
ようやく新五合目の半分の高さまで来た。
ここは
表富士自転車競走大会の出発地点で、
新五合目(標高2400m)はここから16.5km、平均勾配6.6%だそうだ。
この大会には小径車部門もあり、なかにはママチャリで登る人もいるらしい(
ここ)。
大会の制限時間は3時間なので、超低速の私でも、あと4時間位で到達できるだろう。
10時45分に182号線との分岐(海抜1460m)に到着し、左折。
ここから最後の登りとなる。
富士山スカイラインの旧料金所(残り13km)付近から、道路距離の標識が再び始まる。
今度は、新五合目までの残りの距離を示す標識が200m間隔で立っている。
(正確に言うと、100m間隔に立っているが、半分は逆向きになっている)。
ここから坂がきつくなり、1速のギアを使う頻度が高くなる。
久しぶりのツーリングのせいで尻が痛くなってきた。
今回は、スタミナ切れを防ぐために、
小さい羊かん10本と、30個位入ったチョコレートを持ってきた。
ここからは1km進むごとに小休止し、チョコレートまたは羊かんと水を補給した。
小休止のおかげで尻の痛みも多少はやわらいだ。
曇天にもかかわらず、車の量が次第に増えてきた。
ときおり大型バスも通過し、再び暴走バイクも現れ始めた。
11時20分に高蜂駐車場(二合目:海抜1600m)に到着。
上にもう一つ駐車場があり、なぜか鉄棒が設置されていた。
ここまでは、一番軽い1速にすれば、
脚に力を入れて踏ん張らなければなくても登れたが、
残り6〜7km地点あたりで傾斜がきつくなり、
特にカーブの内側を走るときは、力を入れて踏ん張らなければならなくなった。
しかし自転車を降りて押さなければならないほどの坂はなかった。
体重を減らしたのと筋トレの効果も多少はあるかもしれない。
しかしこの頃から、ペダルを回転させると、
両膝の外側の(筋肉ではなく)腱か骨が痛くなり始めた。
今まで経験したことがない、金属疲労のような感覚だ。
このため休憩の頻度を増やした。
12時35分に七曲駐車場(海抜1900m)に到着。
到着時刻不明だが三合目(海抜2000m)に到着。
最も、何合目というのはあまり意味がなく、要するに距離が残り何kmで、、
あと何m登る必要があるのかが分かればよい。
ときどき標識からそれらの情報が得られるので、
走行中に暇つぶしに計算すると、この付近では平均勾配が9%位ではないかと思われる。
13時30分に4合目(海抜2300m)に到着。
相変わらずペダルを廻すと脚は痛いが、傾斜がやや緩くなったので助かる。
やがて新五合目の駐車場の最初の部分に到着。
この駐車場は道沿いに細長く続いていて、
レストハウスはまだ上の方にあり、再び勾配がきつくなる。
脚が痛いが、駐車場にいる人の視線があるので(^^;)、
自転車を降りずに何とかレストハウスまで登った。
14時に新五合目2400mに到着!
自己満足ながら、折り畳み自転車で標高差2400mを登る
体力があることを確認でき、感無量だ。
富士山の頂上も下界も霧で見えない。
しかし逆に、曇天で気温が高くならず、スタミナが切れなくて良かったとも言える。
高所での気温が低いかも知れないので、今回は長袖の上着を2枚持ってきたが、
結局半そでの速乾Tシャツ1枚だけですんだ。
また、以前富士吉田から五合目に登ったときは高山病気味になったが、
今回はその気配はなかった。ダイエットで体質が強化されたのかもしれない。
駐輪場で、今朝新五合目を出発して山頂に登り、
先ほど降りてきたという人に話しかけられた。
自分も折り畳みを持っているが、ここまで折り畳みで登ったのはすごい!と言っていたが、
高山病を考えると、山頂までの富士登山の方がはるかにすごいと思う(私は絶対無理)。
新五合目には20分ほど滞在し、今度は往路を逆に走って富士川の河口まで下る。
大宮の交差点までは、一度軽い登りがあるだけでほぼペダルは漕がずにすんだ。
ただしブレーキを頻繁に掛けるので(後ろから車が来たときなど)、手が痛くなった。
また尻が痛いので、ときどき尻を浮かせて走った。
大宮交差点の先で、(ペダルを漕ぐと痛いので)なるべく地形的に下っている道を走ろうと、
往路と違う道を走ったが、途中でまた道を間違え時間をロスした。
傾斜は次第に緩くなり、痛みに耐えながら何とかペダルを漕いだ。
つま先でペダルを漕ぐと多少痛みが少ないことに気付いたので、
多少珍妙な格好だが、最後はつま先でペダルを漕いだ。
17時半か18時ごろ富士川河口(海抜0m)付近に到達。
新富士駅まで行き、新幹線で帰宅。
今回の経路でサイクリストは4,5人いた。
参考までに、自転車で新五合目に登った方々のレポートを
いくつか紹介する(
ここ、
ここ、
ここ、
ここ、
ここ)。
後で分かったことだが、夏の数日、富士山スカイライン(最後の区間)は、
駐車場の混雑を防ぐため、マイカー規制を行っている。
自転車は通行できるようなので、
車を避けるために、該当日に行くのがいいかもしれない。
田子の浦港の航空写真。
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田子の浦港は日本で最初の掘り込み式の港らしい。
港ができる前の航空写真。斜めに横切っているのは東海道線。 |
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筆者が子供の頃、
田子の浦港はヘドロ公害で有名だった。
当時「ゴジラ対ヘドラ」という
映画も作られたらしい(ここ、ここ)。 |
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前日夕方、富士山はぼんやりとしか見えなかった。 |
富士と港の見える公園内の展望台からの冬の富士山(ここ(音が出ます)から借用)。
ここの一連の写真から判断すると、新五合目は○の部分だと思われる。 |
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田子の浦港の岸壁にて。 |
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当日早朝4時30分頃。
海抜0mの田子の浦港にて。
まだ暗いので、港がなかなか写らず焦った。 |
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これから目指す富士山。 |
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コンビニでペットボトルを6本購入し、装着。
前カゴには、オニギリ6個、小さい羊かん9個、
チョコレートが入っている。 |
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第二東名高速道路の建設現場。 |
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大宮交差点。
横の道は国道139号線。
縦の道は県道180号線で、ここから向こうに進む。
富士山が向こうにうっすらと見える。 |
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大宮交差点から先、
進行方向右側に歩道があった。 |
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山宮交差点の1km?ほど手前で、
新五合目まで31kmの表示。
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この位の勾配の坂が延々と続く。
ひたすら登るだけ。。。 |
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最後のコンビニ、デイリーヤマザキ。
右の青い標識部分が山宮交差点。 |
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車のホイールを利用した水車(回転している)。 |
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次第に建物が少なくなる。 |
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篠坂交差点手前の勾配「9%」の案内板の先で、
歩道にガラス(プラスチック?)の破片が散乱していた。
パンクしないように注意! |
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ガラスの破片。 |
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富士山。 |
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篠坂交差点と一合目の標識の間の
ある地点を起点(0km)として、
距離の表示が始まる(数字が増えていく)。
これは0.2kmの表示。
左側が溝になっている場所では、
落ちないように神経を使う。 |
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一合目の標識。
この先で少し下りがある。 |
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気温23℃。
今日は半そで速乾Tシャツ1枚で大丈夫だったが、
高度が上がるとかなり寒くなることもあるので注意。 |
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富士山麓山の村への分岐の所にある、
食事、喫茶の店。 |
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日が射したり曇ったりを繰り返す。 |
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標高1240mの西臼塚駐車場。
ようやく半分の高さまできた。
トイレはあるが、自販機はない。 |
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駐車場からの富士山。 |
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9%の勾配の標識を何度か見た。
復路では10%の標識があった。 |
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ここを左折し、最後の登りとなる。
すぐに富士山スカイラインの旧料金所がある。 |
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料金所付近にて。ここからは、
新五合目まで残り何kmの表示(数字が減っていく)になる。 |
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残り11kmの表示。
200mおきに表示がある。
向うを行くのはサイクリスト。 |
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高鉢駐車場。
トイレはあるが、自販機はない。 |
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高鉢駐車場?がもう1つあった。
なぜか鉄棒が設置されていた。 |
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休憩していたら、下から走ってきた人がいた。
少し先でUターンして戻っていったが。
一体どこから走って来たのだろう。 |
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バイクが多い。 |
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七曲り駐車場。 |
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急勾配が続く。 |
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三合目。 |
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ときどき霧が発生する。
あと4km地点。 |
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四合目。
あと高さ100mだ。 |
ようやく新五合目に到着!
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レストハウス屋上からの眺め。下界は何も見えなかった。 |
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階段を登った所にこの看板がある。
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茶色の部分がレストハウスの屋上。
下界は何も見えない。 |
天気が良ければ駿河湾まで見渡せる(ここから拝借)。 |
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山頂への登り口。
ここは富士登山の富士宮口と呼ぶらしい。
ここから頂上までの様子はここを参照。 |
頂上は霧で見えない。 |
天気が良ければこのように見える(ここから拝借)。 |
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これで上の山小屋に物資を運んでいるようだ。 |
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下りはペダルを漕ぐ必要はないが、
ブレーキを握るため、手が疲れる。
また尻も痛かった。 |
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またガラスの破片があった。 |
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行きは、一合目の標識の少し先のこの地点が、
暴走バイクの溜まり場になっていた。
(たまたま今日だけかも知れないが)。
ここと下のどこかを往復していたようだ。 |
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富士川河口付近。向こうは海。
海抜0mから2400mまで登ったのも初めてだが、
2400mから0mまで下ったのも初めてだ。 |
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富士川の上流方面と堤防。 |
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海に面した堤防。かなりの高さだ。 |
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