【番外】 大名旅行ツアー

(注) 今回のレポートは自転車とは関係ありません。


昨今の不況の中、スイス・ナショナル銀行の口座番号56513(意味不明な方はここを参照)に
久々に入金があったので、話の種にと、某旅行社が主催する「世界一周大名旅行ツアー」に参加することにした。
これは国内と海外の主要な建築物を見学するツアーで、国内が4日、海外が12日の豪華ツアーである。
以下、ツアーで撮影した建物の写真と解説(ツアーガイドブックより転記)を紹介する。

なお、本ページを見終わった方はツアーのこぼれ話も参照されたい。
●日本
旧北海道庁舎 1888年

赤レンガづくりの建物で、北海道開拓使の庁舎として建てられた。
ネオ・バロック様式の重厚な建物で、
ライラックの前庭を持ち、北海道の開拓当時をしのばせる。
東京ドーム 1985年

日本初の大規模エアードームによる全天候型多目的スタジアム。
それまでの後楽園球場に代わるもので、
スタジアムには56000人を収容でき、
プロ野球をはじめ、フットボールやコンサートに使われている。
東京タワー 1958年

東京タワーは、東京都をはじめ
関東一円に電波を送り届けるため、
「日本電波塔」として建てられた。
高さ333mで、パリのエッフェル塔より高く世界一だった。
現在でも東京観光の中心となっており、
修学旅行の学生たちや団体でにぎわっている。
朝のラッシュで混雑する東京駅から
関西方面へ出発。


東京駅のホームにて。
二条城 二の丸御殿(京都) 1603年

徳川家康が上洛したときの住まいに使う邸宅として造営され、
二の丸御殿もそのときに建てられた。
二条城は軍事上だけでなく住まいも兼ねており、
城内には豪壮な御殿が建てられた。

ここで一曲(←音が出ます。)
京都御所 紫宸殿(ししんでん) 13世紀頃(1855年頃再建)

京都御所は江戸時代まで天皇が住んでいたところで、
日常のお住まいや儀式を行う場所など、いろいろな建物がある。
紫宸殿は正殿で、天皇の即位などいろいろな儀式が行われる。
鹿苑(ろくおん)寺金閣 1397年

足利義満が造営した山荘で、北山殿と呼ばれた。
義満の死後、鹿苑寺として現在にいたるが、
寝殿、会所など多数の殿舎は荒廃、焼失した。
金を張ったきらびやかな姿で「金閣」と呼ばれる建物は
舎利殿(しゃりでん)である。
しかしこれも1950年に焼失し、現在のものは1955年に再建された。
清水寺(京都) 798年

坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)の創立と伝えられる。
現在の本堂は1633年、徳川家光の再建で、
江戸初期の代表的な和様建築となっている。
急な崖に建っているため、前面の舞台を長い柱で支えており、
有名な「清水の舞台」は南側の崖に迫り出した部分。
春日大社(奈良) 768年頃(1863年再建)

平安京の東、古くから神聖視されていた三笠山を祀るために
つくられたものがその前身といわれている。
本殿形式は「春日づくり」と呼ばれ、
全国に広くみられる本殿の形式である。
唐招提寺(とうしょうだいじ)(奈良) 770年頃

唐招提寺は中国の名僧鑑真によって創立された。
金堂が建てられた時期については諸説あるが、
およそ770年代とされている。
寄棟(よせむね)づくりの天平建築で、
重量感あふれる屋根はまさに「天平の甍(いらか)」といえる。
薬師寺(奈良) 680年

薬師寺は天武天皇が皇后の病気の回復を願って
680年に計画された。
しかし造営事業は天皇の在位中には終わらず、
皇后であった持統天皇によって引き継がれ、
完成したのが7世紀の末期といわれている。
創建当時の唯一の遺構である東塔は一見六重に見えるが、
三重の塔の裳階(もこし)をつけたもので、
美しく大小の屋根が重なり合う。
法隆寺(奈良) 607年

法隆寺は飛鳥時代の仏教建築の代表例で、
特に金堂は世界最古の木造建築。
聖徳太子によって創立されたといわれ、
金堂、五重塔、回廊などが現存する。
同上。
東大寺大仏殿(奈良) 752年

741年、聖武天皇によって国分寺、
国分尼寺建立の詔(みことのり)が発せられ、
東大寺はその総国分寺として建てられた。
現在の大仏殿は1709年に再建されたが、木造の古い建築としては
世界最大の規模を持つ壮大な伽藍(がらん)は、
安置されている大仏と共に荘厳な風格を持つ。

風見鶏の館・旧トーマス邸(神戸) 1909年

神戸の北野には、明治から大正にかけて来日した
外国人たちが建てた家があり、
異人館街として観光地になっている。
このトーマス邸はこの地区唯一のレンガ造りで、
ドイツ人ランデが設計した建物。
塔の先端の風見鶏は、雄鶏(おんどり)が警戒心が強いことから
魔除けになると信じられ、この家の愛称になっている。
姫路城(姫路) 1601〜1609年

1601年、池田輝政によって工事が開始され、8年後に完成した。
天守は5重六階、地下一階の天守と小天守を
渡り櫓(やぐら)で囲いつなぐ、いわゆる連立天守となっており、
城壁の白い色と美しい姿から、「白鷺(しらさぎ)城」とも呼ばれる。
厳島(いつくしま)神社(広島) 1168年頃

創立は明らかではないが、平安時代の末期の1168年、
平清盛によって再興されたと伝えられる。
その後、焼失や修築が繰り返され、
現在の社殿は1571年に建て替えられた。
海浜の中に設けられた社殿であり、
自然の美と人工の美がたくみに調和している。

ここで一曲(←音が出ます。)
大浦天主堂(長崎) 1864年

日本最古の教会。
フューレ、プチジャン、ロカインという3人の神父が建設にあたり、
はじめは3本の塔があるゴシック、バロック、ギリシャの
3式を混合した美しい建物だった。
当時は「フランス寺」とも呼ばれていた。
熊本城 1601〜1607年

加藤清正が造営した。
三重五階、地下一階の宇土櫓は現存する唯一の建物で、
豪壮な建物は熊本城のシンボルとなっている。

ここで一曲(←音が出ます。)

●アメリカ
成田空港から海外ツアーに出発。
成田空港にて。
クライスラー・ビル(ニューヨーク) 1930年

高さ320m、77階のアールデコスタイルのビルで、
うろこ状の塔の先端部分(注:写真では分からない)は
クライスラー自動車のラジエーターをデザインしたと
言われている。
高さでは、エンパイア・ステート・ビルなど、
高いビルが多くあるが、その形の美しさでは、
現在でもこのビルを最高位にあげる人が多くいる。
エンパイア・ステート・ビル(ニューヨーク) 1931年

ニューヨークの超高層建築である摩天楼は
1930年代に出現した。その中でも、
ニューヨークの5番街にあるこのビルは、
高さ380m、102階の超高層建築で、
映画「キングコング」にも登場した有名な建物。

ここで一曲(←音が出ます。)
ニューヨークの街並み(1)。
ニューヨークの街並み(2)。
左に工事現場が写ってしまった(>_<)。

ここで一曲(←音が出ます。)


ホワイトハウス 1972年

アメリカ合衆国の大統領官邸で、
第2代大統領ジョン・アダムズの時から使用されている。
ワシントンのペンシルバニア街にあり、
白亜に彩られた建物なので、この名前で呼ばれている。
テレビのニュースなどで、日本でもおなじみ。

●ヨーロッパ
聖ヴァシリー寺院(ロシア) 1555〜1560年

イワン4世はモンゴル勢力の排除を記念して、
ヴィザンチン様式の教会を建てた。
この教会堂は、ヴィザンチン、イタリア、ルネッサンス、
イスラムなどの様式を取り入れた特異な造形であり、
17世紀にはドームをネギ花形に改め、華やかな色彩が加えられ、
おとぎ話のような色彩となっている。

ここで一曲(←音が出ます。)
ノイシュバンシュタイン城(ドイツ) 1869〜1886年

バイエルン国王ルードヴィッヒ2世が
白鳥のようなヴィザンチン芸術の美しい城をつくりたいと願い、
17年の歳月をかけてつくった城。
今日では「白鳥の城」と呼ばれ、
多くの観光客の人気の的となっている。
また、ウォルト・ディズニーのおとぎの城となった
「シンデレラ城」のモデルともなっている。
同上。
ドーバー城(イギリス) 1179〜1191年頃

12世紀頃、イギリスでは他国との戦いのため
いたるところに城が築かれた。
ドーバーはイギリスとフランスの国境にあたる海峡で、
12世紀に築かれたこの城は、国境を守る重要な働きをした。

ここで一曲(←音が出ます。)
ウエストミンスター寺院(イギリス) 1245〜1519年

イギリス王室の墓地で、歴代国王の戴冠式場でもあるこの寺院は、
イギリスを代表するゴシック建築で、工期は300年近くもかかった。
正式名称は聖ピーター修道教会で、
イギリスで最も格式が高く、歴史も古い教会。

ビッグベン英国国会議事堂(ロンドン) 1836〜1868年

世界でも代表的な国会議事堂で、設計競技によって選ばれた。
塔とホールからなり、絵画的な美しい姿は英国を代表する建物。
また、時計台の鐘はロンドン市民や観光客に親しまれている。

(注)時計台を撮影し忘れた(>_<)。
シャンボール城(フランス) 1519〜1550年

ルーブル宮殿の設計者である
フランソワ1世が計画させた建物で、
フランス・ルネッサンスの城館建築の
代表的建物といわれている。
内部の二重の大らせん階段は、
レオナルド・ダヴィンチの作品として有名。

ここで一曲(←音が出ます。)
ヴェルサイユ宮殿(フランス) 1661〜1772年

ヴェルサイユ宮殿はフランスが最も栄えていた
ルイ14世のときに建てられた豪華な建物。
17世紀から18世紀のフランスの建築と
美術工芸の集大成となっている。
同上。
サクレクール寺院(フランス) 1875〜1919年

ヴィザンチン的なロマネスク会堂で、
パリの北東部にあるモンマントルの丘にそびえている。
白一色で仕上げられた調和のある姿をしており、
パリの街からでもその姿が見え、パリの名物の1つとなっている。
同上。
エッフェル塔(パリ) 1888〜1889年

1889年のパリ万国博覧会のために建てられた
高さ305mの鉄塔で、当時は世界一の建造物だった。
現在では321mとなり、パリのシンボルとなっている。

ここで一曲(←音が出ます。)
平和宮(オランダ) 1913年

オランダの政府所在地であり、
第三の都市であるデン・ハーグにある平和宮は、
1913年に建てられた国際司法裁判所である。
現在では内部が公開され、観光客が訪れている。
サグラダ・ファミリア(スペイン) 1884年〜

サグラダ・ファミリア(聖家族教会)は
天才ガウディが設計した芸術的にすぐれた建物。
ガウディは未完のまま死亡し、
その後何人もの建築家によって受け継がれ、
1世紀以上も建設作業が行われており、現在なお建築中。
上記の正面を拡大。
さらに拡大。
同上。
内部の建設現場。
一体いつになったら完成するのでしょう。
アルハンブラ宮殿(スペイン) 13世紀〜15世紀頃

スペインがイスラムの勢力下にあった時代の最後の王朝、
ナスル朝の王宮として建てられた。
グラナダの街を見下ろすオカの上にあり、
「アルハンブラ」はアラビア語で「赤い城」を意味する。
イスラムの影響を受け、中庭や回廊などのある迷路で、
美しい幻想の世界を築き上げている。
同上。
ミラノ大聖堂(イタリア) 1386〜1577年

イタリアにおけるゴシック建築の代表的な教会で、
1386年ごろにヴィスコンティ家のもとに建築が始められた。
この建設にはイタリアだけでなく、
広くフランス、ドイツなどから建築家や職人が集められ、
15〜16世紀に引き続き建築が行われた。
同上。
コロッセオ(イタリア) 78〜82年

紀元1世紀から栄えた古代ローマ帝国では、
いろいろな競技や、人間と猛獣の戦いなどを見るために、
いたるところに闘技場がつくられた。
そのひとつであるこのコロッセオは、
長軸が188m、短軸が156mの楕円形で、
観客席は4階に分かれ、約45000人も収容でき、
現在の競技場や野球場と同じ大きさである。
同上。
サン・ピエトロ大聖堂(バチカン) 1546〜1624年

ローマカトリックの総本山であるサン・ピエトロ大聖堂は、
ミケランジェロなど世界的に有名な
当時の一流の画家や彫刻家の手によってつくられた建物。
現在では、世界中から信者をはじめ多くの人々が集まる。
同上。
パルテノン神殿(ギリシャ) 紀元前447〜432年

アテネのアクロポリスの丘にある
白大理石を用いて作られた神殿。
正面に8本の柱があり、古代建築の中でも
最も美しい建物のひとつといわれ、
現代でも多くの建築のモデルになっている。
同上。

ここで一曲(←音が出ます。)

●エジプト

カフラー王のピラミッド 

今から5000年ほど前に栄えた古代エジプトの建造物。
ピラミッドは王の墓であるとされているが、
今なお謎に満ちている部分が多く隠されている。
カイロの北、ギザの砂漠に斜めに並んでいる
3つの巨大なピラミッドは、ピラミッドの中でも
最も美しい形をしているといわれている。
スフィンクス(修復工事中?) 紀元前2680年頃

スフィンクスはピラミッドの守り神といわれ、
ライオンの体と、メネスと呼ばれる頭巾をつけた
王の形の頭部を持つ。
ギザにあるカフラー王のピラミッドの参道口にある
このスフィンクスは、創建当時は色彩が施され、
他の王像と同じくヒゲがついていたが、
今は欠落している。


ピラミッドの内部見学。
小さいピラミッドもある。
アブ・シンベル大神殿(エジプト) 紀元前1280年頃

ラムセス2世によってつくられ、
岩を彫り込んだ典型的な岩窟建築。
前面にある高さ約20mの4つの座像は
ラムセス2世の像といわれている。
遠方に隊商の列が見えたので、ズームで撮影。

●アジア

マスジット・イ・シャー (イラン) 1612〜1638年

サファヴィ王朝のアッパス一世は
イスファハーン(イラン)を首都に定め、
王の広場の南にモスク(墓)を建てた。
このマスジット・イ・シャーは
イラン建築伝統の頂点に立つモスクといわれ、
建物の表面は全て彩色のタイルとモザイクタイルで
装飾されていて、きらびやかな雰囲気をつくっている。

ここで一曲(←音が出ます。)
タージ・マハル(インド) 1631〜1653年

インドのムガール国王シャー・ジャハンは、
その后ムムターズ・マハルの墓を、
ジャムナ河畔に大理石でペルシャ風に建てた。
タージ・マハルには后を思う王の気持ちがこめられ、
中庭の水に映る建物の姿や壁面の絵柄の彩りは美しく、
見るものをあきさせない。

アーナンダ寺院(ミャンマー) 1091年頃

ミャンマーのバガンの東側にある美しく壮大な寺院。
1091年にチャンジッタ王によって建てられた。
建物は白く彩られ、塔の先端は金色に輝く。


敦煌(とんこう)・莫高窟(ばっこうくつ)(中国) 4世紀頃

シルクロードの要所にあった敦煌は、
中国甘粛(かんしゅく)省にある石窟寺院。
4世紀中ごろから岩壁に洞窟を掘って
寺院とすることが始まっていた。
およそ1000年もかけて彫られた敦煌の石窟寺院群は、
仏教芸術の粋を集めたものと言われ、
高い文化があったことを示す。
雲崗(うんこう)の石窟(中国) 5世紀後半頃

北魏時代、時の文成(ぶんせい)帝に僧曇曜(どんよう)が
勧めてつくったものが最初とされる。
中国五大仏教石窟寺院のひとつで、
雄大精緻な彫刻群を持っており、
仏教芸術の宝庫となっている。
同上。
万里の長城(中国) 紀元前3世紀頃

秦の始皇帝が騎馬民族の侵入を防ぐために設けた
約2400kmにおよぶ大城壁。
要所には砦を設け、街道には関門がある大建造物。
現在、八達領(はったつれい)では大規模な修復作業が行われ、
多くの観光客が訪れる。

同上。

ここで一曲←音が出ます。
ソウル南大門(韓国) 1448年

韓国では、15世紀に中国にならって、
現在のソウルに都が建設された。
そのときに建てられた門で、
李朝時代初期の城門の形式を伝えている、
韓国を代表する建物。
景福宮(けいふくきゅう) 勤政殿(きんせいでん)(韓国) 1867年

朝鮮王朝を建国した李成桂(イノング)が1395年に建てた王宮で、
朝鮮時代には他の宮殿建築の規範になり、
1865年、興宣大院君(フンソンデウォングン)が再建に着手した。
勤政殿(きんせいでん)は国家の主要な儀式を執り行う正殿で、
丹青(タンチョン)という豪華な装飾を施した重層の御殿。
引き続きツアーのこぼれ話是非参照されたい。

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