松本〜松本城〜浅間温泉〜美鈴湖〜美ヶ原(標高2000m)〜扉温泉〜松本
参考資料:自転車コースガイド信州エリア P110 (アテネ書房)


今年は梅雨が長く、関東地方は8月初めにようやく梅雨明けした。
その後少し晴天が続いたと思ったら今度は台風が日本列島を直撃した。
台風が通過した翌日、台風一過の晴天を狙い、
ヒルクライムのツールド美ヶ原で有名な長野県の美ヶ原へ行く事にした。
今回のテーマは「青い空と白い雲」だ。

中央線を走るムーンライト信州という夜行特急があることを知り、
前日に切符を購入しようとしたが、お盆休みのせいですでに満席、
仕方ないので長野まで新幹線、長野から特急で松本まで行くことにした。

松本到着まであと10分ほどの地点で、突然列車が急ブレーキをかけ続け、
ある踏み切りを越えて止まった。
窓から左側を見ると、踏み切りのところに自転車が1台置いてある。
その向こうの車から人が降り、慌てて携帯でどこかへ電話をしている。

踏み切りの反対側を見ると、車が2台ほど止まっていて、
こちらもやはり人が降りてきて携帯で電話をしている。どうも人身事故らしい。

今日はスケジュールがタイトなのになんたる不運。
数分たち、救急車、パトカー、消防車?、さらにはJRの車が次々に現れ、
総勢30人ほどの関係者があわただしく現場検証を始める。
また近所の人々も集まり、車両の下を覗き込んだり、ヒソヒソ話をしている。

結局電車は50分ほどその場所に停車し、ようやく動き出したが、
車内アナウンスでは人身事故で50分遅れたというアナウンスしかなかった。
夜帰宅してからWebのニュースサイトをいくつか調べたが、
不思議なことに事故に関する記事は出ていなかった。

(注)その後、クロタマさんから、地元新聞のニュースサイトに下記の記事が
掲載されているとのご指摘がありました。情報有難うございます。
つつしんで犠牲者の方のご冥福をお祈り致します。(合掌)
ちなみに私が乗っていたのは特急しなのでした。

10日午前8時52分ごろ、東筑摩郡明科町中川手のJR篠ノ井線塔の原踏切で、
若い女性が、飯田発長野行き下り快速列車にはねられ死亡した。
目撃者によると、女性は自転車を置いて踏切内に入ってうずくまったといい、
松本署は自殺した可能性が高いとみて、身元の確認を急いでいる。 
事故のため、特急しなのなど上下計8本に最高1時間31分の遅れが出て、
約1800人の足に影響が出た。


9時50分にようやく松本に到着。
時間がないので急いで松本城に向かい、写真を撮影する。
天守閣に登る予定だったが取りやめた。

市街地を北上し、浅間温泉に到着。ここがツールド美ヶ原の出発地点らしい。
また、ツールド美ヶ原のHPを見ると、この大会は浅間温泉が主催しているらしい。

温泉を過ぎるといきなり激坂が始まる。
200mほど走ったが、激坂なので無理だとあきらめ、以後500mほど自転車を押した。
押すだけでもヘロヘロになり、汗が大量に噴き出す。

水道関係の建物?を過ぎると少し坂が緩くなったので、再び自転車に乗る。
通常の峠では、得意の超低速(5km/h程度)で走ると息があまり乱れないが、
暑さと、久しく峠越えをしていなかったせいで、息がハァハァする。
この付近は木陰が多いのがせめてもの救いだ。

何度も休みながら少しずつ進み、ようやく美鈴湖に到着。
時間がないので写真を数枚撮影した後、そそくさと出発。

今日は風は微風程度だ。
また、この付近の高度は数百メートルだが、気温はさほど低くない。
真夏の太陽が容赦なく照りつける。
かなりヘロヘロになって、走っては休み、走っては休みを繰り返す。
14%の標識がある坂など、何箇所かは押して歩いた(特に木陰のない箇所)。

今日は松本のコンビニでペットボトルを4本購入したが、美鈴湖の自販機で2本追加した。
熱中症になるとまずいので、こまめにぬるい水を飲む。

車の通行量はさほど多くないが、たまに大型バスが通過する。
また数人のロードレーサーとすれ違った。

ようやく武石峠付近の分岐に到着。
ここから少し進むと美ヶ原牧場の展望が開け、登りと下りが交互に現れる。
見通しのいい野原でかつ標高2000mなので、涼しい風が吹き抜け、
先ほどまでの登りと比べると傾斜も緩やかになる。

やがて駐車場に到着。この先一般車は通行止めだ。
ここから美ヶ原高原の頂上である王ヶ頭まで、
観光客は階段になった登山道を登るが、自転車を担いで登るのは大変なので、
ダートの一般道を通ることにした。

途中にゲートがあり、狭い隙間を何とか通り抜ける。
緩い登りのダートと簡易舗装だが、標高2000mで空気が薄いため、
走る気にならず、大半は押して歩いた。

1.5kmほど歩いてようやく王ヶ頭に到着。
360度のパノラマが開けるが、台風で降った雨が蒸発するせいか、
雲や霧がもくもくとわいていて、眺望はあまりよくなかった。

ここから美ヶ原牧場内のダートの道を走る。緩い下りだが道は悪い。
こけたら歩いている観光客に笑われて格好悪いので慎重に走る。

美しの塔
を過ぎてさらに進むとビーナスラインに出た。
少し登り美ヶ原高原美術館に到着。
かなり広い敷地に屋外展示物が並んでいるが、
時間がないので中に入らず敷地の外から写真を撮影した。

すでに4時半になったので帰ることにした。
首記ガイドブックでは、王ヶ頭と武石峠の間にある林道を下るコースが紹介されているが、
ダートの悪路らしいのと、王ヶ頭まで戻るのは登りになるのでやめ、ビーナスラインを下ることにした。

ビーナスラインは以前は有料道路だったらしいが、今は無料だ。
ずっと下りかと思っていたが、三度ほど1km位の登り返しがあり、かなり疲れた。

扉峠でビーナスラインを離れ、松本方面に向かう。
少し進むと、道は「よもぎこば林道」と県道67号線の二手に分かれる。
ここでどちらに進むか迷った。

前者は元有料道路なので、多分道はよいと思われ、
また途中に牧場、キャンプ場、分校などがあるので、何かあったときでも心強い。

一方後者は、分岐点の標識によると、道は狭く、また土砂崩れの恐れがあるとのこと。
また地図で見る限り、大分先に小さい字で扉温泉と書いてあるだけで、後は集落もなさそうだ。

周囲はすこしずつ暗くなってきて、安全と思われる前者を進むのが正解だろうが、
分岐からいきなり登りで、また地図で見るとやや登り返しがありそうなので、
思い切って後者の県道を走ることにした。

5分ほど下り、ようやく乗用車2台とすれ違った。
しかしそこから先はまた誰ともすれ違わず、樹木で薄暗く狭い道をひたすら下る。
片側は急な崖で、200mほど下を川が流れているようだ。

そういえば昨日台風だったので、地盤が緩んでいる恐れがある。
もしこのまま崖崩れなどで行き止まりになっていたら、
今走ってきた急坂を自転車を押して戻らなければならない。しかも夜道だ(>_<)、
などと考え、次第に不安になってきた。

と、そこへ後方から車が来て追い抜いていった。
先ほどの車と違い、同じ方向に進む車なので少し安心した。

さらに進むと小さなダム湖があり、ダムの堤防の下流に温泉と思われる建物があった。
営業しているかどうか不明だが、もし営業していれば心強い(逆に無人だと不気味だが)。

ダム湖を過ぎて少し進むと、突然駐車場が見え、扉温泉が現れた。
山奥にあるわずか2軒の温泉だが、後で調べたところ、ここここにちゃんとHPがあるのには驚いた。
これで下界に降りれることが分かり、ほっと安心したとたんに、雨が降り出した。
単なる夕立だが、意外と雨足が強いので、仕方なしにカッパを着た。
さて走ろうと思ったとたんに今度は雨が止んだ。しかし時間があまりないのでカッパを着たまま走った。

ここから先もずっと下り基調だが、また2回ほど登り返しがあり、
予想よりも大分かかってようやく松本に到着した。

今回のようにガイドブックに紹介されている以外の道を走る場合、
特に夕方で後戻りするのが難しいときは、通行できるかどうか事前に確認しておかないと
パンクや転倒、通行止めなどのアクシデントがあったときヤバいというのが今回の教訓だ。

右側の人が事故を目撃したらしく、
状況を説明している。
パトカー、救急車、消防車?、JRの車が
次々に集まってきた。
関係者は30人位。
車内の人々の様子。
この自転車の持ち主が犠牲者らしい。
松本城。
同上。
松本城の先にある(移築)、
日本最古の小学校の1つ、旧開智学校校舎
同上。
旧開智学校校舎の近くにある松本市旧司祭館
炎天下の激坂。
登れずに自転車を降りて押すが、それでもキツイ。
時折松本市の眺望が開ける。
木陰に入ると涼しいので、
体力の消耗が多少防げる。
次第に高度を上げる。
美鈴湖。
青い空と白い雲。
渋池。
周囲の山々は雲に隠れている。
日陰がないとすぐに疲れる。
ようやく美ヶ原牧場に到着。
ここからは樹木がなく、視界が開ける。
市街地は霞んでおり、
山々は相変わらず雲に覆われている。
左上の鉄塔が数本立っている所が王ヶ頭。
右上が王ヶ鼻。
王ヶ頭の手前の駐車場から先、車は入れない。
このゲートの隙間を何とか通過できたが、
普通の大きさの自転車では無理かも。
王ヶ頭と王ヶ鼻の間の分岐から、
王ヶ鼻を望む。
王ヶ頭までもう一息だが、
空気が薄いため、自転車を押して進む。
王ヶ頭から美ヶ原牧場方面を望む。

左の写真の左に美ヶ原牧場が続く。右は断崖になっている。
ほぼダートな牧場内の道。
草を食む牛。
入道雲も考慮して写真のアングルを決める。
カメラ目線の牛。
アメリカの牧場をイメージした作品。
ここで一曲(←音が出ます。)
美しの塔。
美ヶ原高原美術館の屋外の展示物。
絵画館。
この付近は霧が沸いている。
屋外展示物。
左奥はビーナスの城。
ビーナスの城。
高原美術館付近から王ヶ頭を望む。
この間が美ヶ原の牧場。
右の煙のようなものは霧。
ビーナスラインを下る。
左上が、上の写真を撮影した箇所。
ここからも延々と下りが続く。
幅が狭く、崖崩れの危険のある県道67号線。
下界まで下りられるか不安だった。
ようやく建物(温泉らしい)を発見。
ダムの堤防から下流を撮影した写真。
堤防の上流側はダム湖になっている。
意味不明な門。
突然、扉温泉の檜の湯の駐車場と建物が現れ、
ほっとする。
ほっとしたのもつかの間、
雨が降ってきたのでカッパを着る。
小規模な発電所。
夜7時半頃ようやく松本に到着。
せっかくなので、ライトアップされた松本城を撮影。
同上。

次のレポートへ  ツーリングの記録へ  ホームへ 自転車紹介へ プロフィールへ リンクへ